【192】①印紙税を誤魔化そうとした事が、収入印紙の図柄でバレバレになるという衝撃 令和4年宅建試験第23問 印紙税法 ②アメリカ人が印紙税と紅茶が嫌いなのには共通した驚きの理由があった

宅建試験2022年
この記事は約4分で読めます。

たくだんのおさらい 問題に挑戦

令和4年宅建試験第23問

印紙税に関する次の記述について、それぞれの正誤を答えよ。なお、以下の覚書又は契約書はいずれも書面により作成されたものとする。

(改造版)

1.土地を8,000万円で譲渡することを証した覚書を売主Aと買主Bが作成した場合、本契約書を後日作成することを文書上で明らかにしていれば、当該覚書には印紙税が課されない。

2.一の契約書に甲土地の譲渡契約(譲渡金額6,000万円)と、乙建物の譲渡契約(譲渡金額3,000万円)をそれぞれ区分して記載した場合、印紙税の課税標準となる当該契約書の記載金額は、6,000万円である。

3.当初作成した土地の賃貸借契約書において「契約期間は5年とする」旨の記載がされていた契約期間を変更するために、「契約期間は10年とする」旨を記載した覚書を貸主Cと借主Dが作成した場合、当該覚書には印紙税が課される。

4.駐車場経営者Eと車両所有者Fが、Fの所有する車両を駐車場としての設備のある土地の特定の区画に駐車させる旨の賃貸借契約書を作成した場合、土地の賃借権の設定に関する契約書として印紙税が課される。

下の送信ボタンを押して回答を送信!ラジオネームやコメントも入力できます!

ラジオネーム・コメント(任意)

本編:令和4年宅建試験第23問

契約書に対して課税されます。

この契約書には、本契約を将来成立させることを約束した予約契約書や、契約の更改または契約内容の変更もしくは補充の事実を証する文書も含まれます。

課税文書の対象は、契約の成立を証明する文書です。

したがって、正本、副本、謄本など、1つの契約書に関し複数の契約書が作成された場合、その全てが課税文書となります。

原則として契約書等は課税文書となりますが、以下の文書は課税されません。

  1. 永小作権・地役権・質権・抵当権の設定または譲渡に関する契約書
  2. 建物の賃貸借に関する契約書
  3. 使用貸借に関する契約書(土地・建物とも)
  4. 委任状または委任に関する契約書(不動産の仲介契約書等)
  5. 営業に関しない金銭等の受取書
フォーサイト

なお、税務署の調査が入ったら印紙を貼ろうという方がおられるかも知れません。
  税務署の調査が入らなければ「丸もうけ」と考えて。

 しかし、あまりお勧めできません。

 印紙の図柄は、結構変えられています。また、図柄が変わらなくとも、透かしの糸の色だけが変えられている場合もありますから、注意が大切です。

 税務調査の際に、文書作成時に「存在しない」「新しい」収入印紙が貼付されていれば、一巻の終わりです。文書作成の時貼付されていないわけですから。

西野法律事務所

 甘く見ていると、いつか痛い目に合うかも……。印紙税は、本当に怖い税金です。

 どうしてそんなに怖いかというと、税金の専門家である税理士でさえも、印紙税のことをよく知らないからです。税理士だけではありません。税務署の職員であっても、印紙税に詳しいのはごく一部の専門調査官に限られます。

ITmedia ビジネス

13’10″ 選択肢2

14’00″ 選択肢1

16’15″ 選択肢3

そもそも覚書とは、契約内容を簡潔にまとめた文書のことです。契約締結後に内容の一部を変更したり、補足したりするときに用いられるため、覚書ではなく「変更契約書」と呼ばれることもあります。覚書の法的効力は契約書とほぼ同等です。そのため、迅速に契約手続きを進めたい場合など、契約書の代わりに覚書を取り交わす場合もあります。また、覚書の内容によっては、契約書と同様に収入印紙の貼付が必要です。

ジンジャー

駐車場の賃貸借契約書については、その内容が土地の賃貸借であるのか、あるいは駐車場という施設を賃貸借するものであるかによって、印紙税が課税されるか、されないかが変わってきます。

1.駐車する場所としての土地を賃貸借する場合
車を置くために、駐車場としての設備のない更地を賃貸借する場合の契約書は、印紙税額一覧表の第1号の2文書である土地の賃借権の設定に関する契約書に該当し、印紙税がかかります。

2.車庫を賃貸借する場合
車庫という施設の賃貸借契約書ですので、印紙税はかかりません。

3.白線等で区分されている駐車場の一定の場所に駐車することの契約の場合
駐車場という施設の賃貸借契約書ですので、印紙税はかかりません。

23’15″ 選択肢4

24’10″ オマケ

七年戦争

1756~63年のプロイセンとオーストリアの対立を軸とした戦争。イギリスが前者を、フランス・ロシアが後者を支援、ヨーロッパ全域での戦争となったばかりでなく、イギリス・フランスは北米とインド植民地でも戦争し、戦闘は世界規模で広がった。

世界史の窓

印紙法

1765年、イギリスが北米植民地に対して出した新しい課税方式。重商主義政策の一環として植民地への課税を強めようとしたイギリスが、証書類や新聞などの発行に印紙を貼ることを義務とした税制の新設であり、言論抑圧にもつながることから植民地側が強く反発した。そのためイギリスは翌年、印紙法を廃止した。

世界史の窓

ボストン茶会事件

1773年、北米植民地人が、東インド会社に茶の専売権を与える茶法に反対して、ボストン港で東インド会社の茶を棄てたことから起こった反英闘争。アメリカ独立戦争のきっかけとなった。

世界史の窓

アメリカ独立戦争

1775年に始まったアメリカ植民地のイギリスからの独立の戦い。1776年、アメリカ合衆国が独立宣言。フランスの支援などもあって独立軍が勝利し、1783年、パリ条約で独立が承認された。

世界史の窓

38’30″ エンディング

ペンタさんからのお便りを紹介しました。

収録日:2023年10月7日