【173】①消費税を支払い続けているけど、仕組みを知らない事はいまさら言えない インボイス制度②消費税の還付で赤字になる税務署があるらしい

宅建試験2022年
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00’27″ 本編 インボイス制度

消費税の仕組みを理解する上で欠かせないのが「仕入れ」とは何かを知ることです。

卸売業者や販売店では、一般的にメーカーなど他の事業者が作ったものを購入し、販売します。この“販売するために他の事業者から購入する行為”を「仕入れ」と言います。

「仕入れ」は「消費」と同じように“購入する行為”ではあるものの、その目的は“消費すること”ではなく仕入れたものを“販売すること”です。つまり「仕入れ」と「消費」は異なる経済活動と言えます。消費税はその名の通り「消費」に対して課税されるべきであり、消費とは目的の異なる「仕入れ」に課税されるべきではありません。

こういった理由から、消費税の課税制度は、生産や流通の各段階での仕入れに対して二重、三重に税が課されることがないよう、売上げに対する消費税額から仕入れに対する消費税額を控除し、税が累積しない仕組みとなっています(前段階税額控除方式)。

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業務委託等で働く個人事業主・フリーランスの免税事業者は総じて弱い立場にあり、これまでどの程度、商品・サービスに消費税分を転嫁できていたかも疑問です。もちろん、建前としては「価格転嫁拒否」は法令で禁じられています。しかし、零細事業者ほど他の事業者との価格競争が熾烈であることを考慮すると、そもそも価格交渉と消費税の価格転嫁拒否との境界は不明確といわざるをえません。

そのような実態があるとすれば、むしろ、取引先のほうが、本来、免税事業者に支払っていない消費税相当額を、仕入れ分として控除している可能性すらあるといっても過言ではありません。これも実質的には「益税」と表現できます。

このように、免税事業者の「益税」の実態には疑問があり、しかも、免税事業者以外の事業者にも実質的な「益税」の可能性が考えられます。そうであるにもかかわらず、免税事業者の「益税」のみをあげつらってことさら問題視されるのは、公平性を欠き、アンフェアであり、弱いものいじめの構造といわざるを得ません。

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30’40″ オマケ

仕入先が納税した5,000円は当社に戻されますので、税務署に収められる消費税はなくなります。元々、消費税が発生しない取引なのですから、還付がなされなければ、本来事業者に負担義務のない消費税を負担させることになってしまうので(本件では当社が5,000円を負担)、 還付しないと消費税の趣旨に反することになります。

上記の理屈を考えると、消費税の還付は特に輸出企業に恩典をあたえるようなものではない、ということがクリアになります。

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消費税の還付金額の方が徴収税額を上回る税務署、つまり赤字の税務署が全国で11ありました(表3)。赤字額第1位は毎年、豊田税務署です。これらの赤字税務署はいずれも管内に輸出大企業があります。その関係を分かりやすくするため、表1に各社を管轄する税務署名を書きました。表1と表3は年度が違いますから、単純比較はできませんが、表1の輸出大企業の還付金額と表3の赤字額の差額は、その税務署管内の中小事業者が納めた消費税額です。つまり管内の事業者が納めた消費税額より還付金の方が多いのです。

全国商工新聞

エンディング

収録日:2023年5月29日

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