【174】①タダで土地を貸したら、無断で駐車場経営を始められたんですけど、ボク舐められてますかね? 令和4年宅建試験第6問 賃貸借・使用貸借 ②ビジネスマナーを極めたマナーキング的新入社員が入社して頼もしい

宅建試験2022年
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たくだんのおさらい 問題に挑戦

令和4年宅建試験第6問

Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲土地につき、資材置場とする目的で期間を2年として、AB間で、①賃貸借契約を締結した場合と、②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述について、民法の規定に従い、それぞれの正誤を答えよ。
改造版

1.貸主は、甲土地を借主に引き渡す前であれば、賃貸借契約を締結した場合では口頭での契約の場合に限り自由に解除できるのに対し、使用貸借契約を締結した場合では書面で契約を締結している場合も自由に解除できる。

2.借主は、賃貸借契約を締結した場合では貸主の承諾がなければ甲土地を適法に転貸することはできないが、使用貸借契約を締結した場合では貸主の承諾がなくても甲土地を適法に転貸することができる。

3.借主は、賃貸借契約を締結した場合では期間内に解約する権利を留保しているときには期間内に解約の申入れをし解約することができ、使用貸借契約を締結した場合では期間内に解除する権利を留保していなくてもいつでも解除することができる。

4.甲土地について契約の本旨に反する借主の使用によって生じた損害がある場合に、貸主が損害賠償を請求するときは、賃貸借契約を締結した場合では甲土地の返還を受けた時から5年以内に請求しなければならないのに対し、使用貸借契約を締結した場合では甲土地の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。

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本編:令和4年宅建試験第6問

01’10″ 問題文

02’25″ 選択肢1

改正民法は、使用貸借を諾成契約へと改めたこととの関係で、借主が目的物を受け取っていない段階での貸主の解除権を定めています(改正民法593条の2)。

ただし、書面による使用貸借では、この解除権は認められませんので(本条ただし書)、この貸主の解除権は、書面によらない使用貸借の場合のみ、発生することになります。

実務上、事後の紛争を防止するという観点から、使用貸借契約書上は、解除できないものとする旨を明記しておくことが望ましいでしょう。

弁護士法人アルテ

08’20″ 選択肢2

民法612条の規定は、第1項が、賃借人が、賃借権を無断転貸・無断譲渡することができないことを定め、第2項がこれに違反した場合に、貸主が契約を解除することができると定めた規定です。

条文を素直に読めば、オーナーは、無断転貸や無断譲渡を理由に契約を解除できそうです。

ひびき法律事務所

借主が目的物を使用及び収益できる範囲は、契約によって定まります。契約からは明らかでないときには、目的物の性質によって定まった用法に従って、その範囲が定まります(1項)。

使用貸借は、貸主が借主その人を信頼して無償で目的物を使用させるものですから、借主が、貸主の承諾なく、第三者に使用又は収益をさせることはできません(2項)。

1項又は2項の違反があったときには、貸主は、使用貸借契約を解除することができます(3項)。この場合の解除については、相当の期間を定めた催告(541条)をするまでもなく、直ちに解除をすることができるものと解されています。

金子総合法律事務所

11’55″ 選択肢3

期間の定めのある賃貸借でも、当事者が合意によって期間内に解約する権利を留保できることを認めるとともに、当事者が解約の申入れをした場合には、解約の申入れの後、617条に定める期間が経過することによって賃貸借契約が終了することを定めています。

ただし、特別法により、建物所有を目的とする土地又は建物の賃貸借については、貸主に解約権を留保する特約は無効とされます(借地借家法9条、同法30条)。また、農地又は採草放牧地の賃貸借については、農地法18条の規定が適用され、本条の適用は排除されます。

金子総合法律事務所

平成29年民法(債権関係)改正では、規律の内容をより明確にするという観点から、使用貸借が終了したときに返還義務が生じることを前提として(593条)、終了事由を整理することとされました(597条参照)。
本条では、終了事由のうち、契約の解除について、解除原因を規定しています。改正の前後において、規律の内容に実質的な変更はありません。

金子総合法律事務所

選択肢4

損害賠償請求権等の除斥期間
契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害賠償請求権や借主が支出した費用償還請求権が、貸主が返還を受けた時から、1年の除斥期間にかかります(1項)。

消滅時効の完成猶予
契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害賠償請求権は、1項の除斥期間のほかに、借主が用法違反をした時から起算される10年の消滅時効にも服することとなります。
しかし、使用貸借が長期にわたる場合、貸主が借主の用法違反の事実を知らない間に消滅時効が進行し、貸主が返還を受けた時には消滅時効が完成しているといった事態も生じかねません。
そこで、平成29年民法(債権関係)改正によって、貸主が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、時効の完成を猶予するものとされました(2項)。

金子総合法律事務所

民法第622条
第597条第1項、第599条第1項及び第2項並びに第600条の規定は、賃貸借について準用する。

民法第622条

オマケ:不要だと思うビジネスマナー

1位の名刺交換については、「目下の人から渡す」「目上の人の名刺が上にくるように交換」「もらったあとに、名刺入れの上に載せる」などのルールを、新入社員時代に、先輩や研修でみっちりと叩き込まれた経験があるのではないだろうか。

ところが、名刺交換でどちらが先に受け取るかで譲り合う光景の煩わしさや、無礼でない渡し方ならいいだろうという声が多く、形式的なマナーを“不要”と考えているビジネスパーソンが多くなっているようだ。

確かに、形式にばかりとらわれ、「心がこもっていない」「誰に対する気遣いなのかわからない」ビジネスマナーが、どれほどの効果があるのかは大いに疑問である。

Manegy

Zoomの画面上に上座はあるのか?――Web会議ツール「Zoom」で、会議のホストが参加者の表示順を並べ替えできる「カスタムギャラリービュー」が、「偉い人を上座に表示できる」機能として物議を醸している。

 以前からネット上では「部長や役員を上座に表示させたい」といった“Zoomマナー”が話題になっていた。今回のアップデートを受け、ネットユーザーからは「よく分からないマナーが増える」という批判もあれば、「メインスピーカーを強調できる」など肯定的な意見も上がっている。

ITmediaビジネスOnline

46’20″ エンディング

収録日:2023年6月4日