【167】①相続における遺留分の意義と注意点 争いに勝利するための知識と戦略 宅建試験令和4年第2問 ②ニュースピックス界隈の個人主義思想は、分断された社会をもたらす

宅建試験2022年
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たくだんのおさらい 問題に挑戦

令和4年 宅建試験 第2問

相続に関する次の記述について、民法の規定に従い、それぞれの正誤を答えよ。

(改造版)

1.被相続人の生前においては、相続人は、家庭裁判所の許可を受けることにより、遺留分を放棄することができる。

2.家庭裁判所への相続放棄の申述は、被相続人の生前には行うことができない。

3.相続人が遺留分の放棄について家庭裁判所の許可を受けると、当該相続人は、被相続人の遺産を相続する権利を失う。

4.相続人が被相続人の兄弟姉妹である場合、当該相続人には遺留分がない。

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本編:令和4年宅建試験第1問

遺留分とは、一定の相続人(配偶者、直系卑属、直系尊属)に保証されている最低限の相続分です。

遺言書を作成すれば、法定相続人以外の人に全財産を遺贈することもできます。
しかし、それでは残された家族が住む家を失い、生活もできなくなるという事態も起こり得ます。こうした、あまりにも相続人に不利益な事態を防ぐため、民法では、遺産の一定割合の取得を相続人に保証する「遺留分(いりゅうぶん)」という制度が規定されています。

みなみ司法書士事務所

遺留分放棄とは、遺留分の権利を持つ人が、相続開始後に遺留分に関する権利を行使しないことを言います。被相続人が生前の場合に遺留分の権利者が遺留分放棄するためには家庭裁判所に申し立てをする必要があります。

つぐなび

15’10″ 選択肢2

相続放棄は生前に行う事が出来ません。

生前に相続放棄をできない理由はまだ相続が発生していないからです。

なぜなら法律で生前に相続放棄をできる制度が無く、法律では相続が発生した後の相続放棄しか規定されていないからです。

主に相続放棄を生前にしたいと思われる理由で多いのは以下の2つのパターンでしょう。

親等の家族に借金が有り、不安なので今の内からできれば相続放棄をしたい
家族間が不仲で、相続の際に関わりたくない
確かに生前に相続放棄できれば上記のニーズは満たせるのですが、現時点の法律では相続放棄は出来ないのです。

次章では相続放棄に代わる生前に出来る手段をご紹介いたします。

グリーン司法書士Online

相続放棄を生前から行うことはできません。仮に被相続人の死亡する前に相続人が「相続を放棄します」といった内容の契約書や念書を作成したとしても、特段の法的効力のある書面とはなりません。

相続弁護士ナビ

日本の法律では、原則として実親と実子の関係を切ることはできません。「縁を切る」「勘当だ!」と宣言しても法的効力はありませんし「絶縁状」「縁を切ります」などの書面を作成しても無意味です。

例外的に子どもが小さいとき(15歳未満)に「特別養子縁組」をした場合、相続権を含めて「縁を切る」ことができます。これ以外の方法で親子の縁を切るのは、ほぼ不可能と考えましょう。また特別養子縁組をした場合でも、事情により親子関係が復活する可能性はあります。

弁護士法人法律事務所DUON

19’45″ 選択肢3

混同する人がいますが、遺留分の放棄は「相続放棄」とは違います。
相続放棄は、法定相続人が「相続人としての地位」を放棄することです。はじめから相続人ではなかったことになるので、資産も負債も一切相続しません。また生前の相続放棄は認められず、「相続開始と自分が相続人であることを知ってから3カ月以内」に家庭裁判所で「相続放棄の申述」をしなければなりません。
一方、遺留分の放棄は「遺留分」のみを手放すことです。失うのは遺留分だけなので相続権は失いません。遺言によってほとんどの遺産が1人の相続人に集中されても、遺留分放棄者は残りの遺産を取得できますし、負債も相続します。
また遺留分の放棄は生前でも死後でも可能です。相続放棄と違い、死後に遺留分を放棄するときには家庭裁判所での手続きは不要です。

相続会議

22’45″ 選択肢4

遺留分が認められているのは配偶者と子供や孫、または父母や祖父母であり、被相続人の兄弟姉妹には遺留分がありません。したがって、兄弟姉妹が相続人になるケースでは、遺言書に「全額寄付する」や「すべて愛人に譲る」と書かれていた場合、もらえる財産はまったくなくなってしまいます。

朝日新聞デジタル

32’10″ オマケ

個人のライフハックは社会の変化に繋がらず、各個撃破されてしまうのではないか。社会は「身内」と「市場」に分断され、新自由主義が来る。公共的意識が存在しないので、社会の危機は認識されないし、認識されたとしても誰も解決に向けて真面目に動こうとしない。ビニールハウス農家の若者のように、若い世代を中心にライフハック的な価値観は広がりつつある。だが、この世代の時代精神の延長線上には、こうした未来が待っているのではないだろうか。

文春オンライン

岡山市で4年ぶりに開かれている「岡山さくらカーニバル」。大勢の花見客で賑わっていますが、楽しい雰囲気を壊してしまうような光景が見られます。それは「会場に散らかるゴミ」です。景観を損なうだけでなく処分に費用もかかる…一部の人の残念な振る舞いです。

TBS NEWS DIG

01º02’35″ エンディング

収録日:2023年4月22日