【097】①アパートの入居者に出ていってもらえるのか 宅建試験2021年10月第12問 借地借家法 ②ギグワークの脱法的問題点

宅建試験2021年10月
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たくだんのおさらい 問題に挑戦

令和3年10月 宅建試験 第12問改

Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)が令和4年7月1日に締結された場合に関する次の記述について、民法及び借地借家法の規定並びに判例に従い、正誤を選べ。

(改造版です)

1.本件契約について期間の定めをしなかった場合、AはBに対して、いつでも解約の申入れをすることができ、本件契約は、解約の申入れの日から3月を経過することによって終了する。

2.甲建物がBに引き渡された後、甲建物の所有権がAからCに移転した場合、本件契約の敷金は、他に特段の合意がない限り、BのAに対する未払賃料債務に充当され、残額がCに承継される。

3.甲建物が適法にBからDに転貸されている場合、AがDに対して本件契約が期間満了によって終了する旨の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から3月を経過することによって終了する。

4.本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約で、期間を5年、契約の更新がない旨を定めた場合、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。

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00’45” 本編:宅建試験2021(10月)第12問

01’15″ 貸主都合で解約できるのか

5年ほど貸している賃貸アパートの借主との賃貸借契約を解約して、自分で使用したいと考えています。貸主都合による解約は可能でしょうか?

アメニシティ

07’50″ 問12 問題文

Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)が令和3年7月1日に締結された場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

正解:選択肢2

宅建試験 2021年(10月)第12問

選択肢1

本件契約について期間の定めをしなかった場合、AはBに対して、いつでも解約の申入れをすることができ、本件契約は、解約の申入れの日から3月を経過することによって終了する。

答え:誤り

宅建試験 2021年(10月)第12問 選択肢1

16’55″ オーナーチェンジしたら敷金や滞納家賃はどうなるのか

建物の所有者が変わると、これまで所有者であった大家さん(旧賃貸人)の立場は、新しい所有者(新賃貸人)に承継されます。

そして、敷金、滞納家賃については次のような取り扱いをする必要があります。

① 旧賃貸人に差し入れられていた敷金は、旧賃貸人に対する借り主の債務があればその債務に充当され、その残額が新賃貸人に承継されます。

② 旧賃貸人が借り主に対して有する滞納家賃債権は、新賃貸人に対して当然には承継しませんので、承継するのであれば債権譲渡の手続が必要になります。

大家さんのためのお役立ちブログ

14’05″ 選択肢2

甲建物がBに引き渡された後、甲建物の所有権がAからCに移転した場合、本件契約の敷金は、他に特段の合意がない限り、BのAに対する未払賃料債務に充当され、残額がCに承継される。

答え:正しい

宅建試験 2021年(10月)第12問 選択肢2

16’55″ 元の契約が終了したら転借人は出ていかなければならないのか

原賃貸借が終了すれば、転貸借も終了するという原則は維持した上で、突然追い出される転借人のことを考慮して、賃貸人は、転借人に通知しなさい。通知をすれば6か月後転貸借は終了するが、通知をしないと、原賃貸借の終了を転借人に対抗できず、転借人を追い出せません、としているわけです。

宅建通信学院サイバー六法

21’30″ 選択肢3

甲建物が適法にBからDに転貸されている場合、AがDに対して本件契約が期間満了によって終了する旨の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から3月を経過することによって終了する。

答え:誤り

宅建試験 2021年(10月)第12問 選択肢3

23’15″ 定期借家も通知をしなければ出ていってもらえない

 定期借家では、賃貸借期間の満了により、契約は確定的に終了します。 ただし賃貸人は、期間が満了する1年前から6カ月前までの間(通知期間)に、賃借人に対して、期間の満了により契約が終了することを通知しておく必要があります。この通知を怠ると、賃貸人は、期間が満了しても、契約が終了したことを賃借人に主張することができないとされています。

定期借家推進協議会

27’05″ 選択肢4

本件契約が借地借家法第38条の定期建物賃貸借契約で、期間を5年、契約の更新がない旨を定めた場合、Aは、期間満了の1年前から6月前までの間に、Bに対し賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなされる。

答え:誤り

宅建試験 2021年(10月)第12問 選択肢4

30’20″ オマケ:ギグワークの大きな問題点

最大の問題はあらゆる労働法規の脱法だ。委託された業務に対して報酬が支払われる形式のため、時間外、休日、深夜労働手当などはつかない。また最低賃金の保障や解雇規制もなく、職を失っても失業保険が使えない。

東洋経済オンライン

47’35″ エンディング

そらりすさんにいただいたお便りを紹介しました。

HPにお越しいただきありがとうございました。

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収録日:2021年12月30日