江戸時代の大家さんは賃貸物件のオーナーではなく、物件の管理人的存在でした。
しかも、大家さんの仕事は物件の管理だけにとどまりません。裁判所の事務官としての職務も任されていました。
また、行き倒れや捨て子があればその世話の責任ももたされていました。
宅地建物や不動産等にまつわるポッドキャスト番組たくだん第42回エピソードです。
マクラ:三方一両損
三方一両損は大岡政談の一つです。江戸っ子は宵越しの銭は持たないと言われました。腕に自信があることを表す言葉です。
本編:江戸時代の大家さん
オーナーではなかった
現代の大家さんは、賃貸不動産のオーナーと言う意味です。
江戸時代の大家さんは現在とは違って、賃貸物件のオーナーではなく、物件の管理人的存在でした。
親も同然
「大家といえば親も同然、店子といえば子も同然」という決り文句があります。
マクラの三方一両損にも出てくるセリフです。
当時の大家さんは様々な行政的な仕事を任されていました。そのうえで、店子やその家族に不祥事があれば大家さんも同罪で処分されます。まさに親も同然な存在でした。
敬意が込められていた
「大家さん」という呼び名には、現在の医者や弁護士に対する尊敬の念と同じようなものが込められていました。
大家さんの収入は大工の3倍から5倍はあったとされています。
おわり
江戸時代の大家さんは店子の訴訟事にも付き添っていました。礼金はその付添料が始まりと言われます。現代の大家さんも物件の修繕や、空室の心配、返済の工面など苦労はあります。今も昔も大家さんも楽ではありません。
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収録日:2021年5月8日